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2015年7月9日木曜日

去年の7月、今年の7月。 [志村正彦LN107]

 明日は志村正彦の誕生日。彼が元気であれば三十五歳を迎えた日だ。

 昨年7月12,13日開催の「ロックの詩人 志村正彦展」と「フォーラム」は、この時期に合わせて計画された。一年前の今頃は、最後の準備に追われていた。パネルの解説文を時間の許す限り推敲していた。

 思い返すと、私たちの試みがフジファブリックの所属事務所SMAやナタリーのサイトで紹介していただいたのは、全く予想外の出来事だった。そのことには非常に感謝したのだが、反響を呼ぶに従って、予想より大勢の人たちが来場される可能性が出てきた。正直に書くと、そのことがかなりのプレッシャーになった。二日間、私たちがこのイベントを無事コントロールできるのかという不安も生じた。精神的にも時間的にも余裕のない状態だったが、何とか展示の準備を完了することができた。会場での実務の仕事も、友人や協力者、そして会場の係の方に助けられた。無事終了することができた最大の要因は、何よりも来場者の御理解であったと思う。入場までの時間が非常に長くなっても辛抱強く待ち続けていただいた。ほんとうに有り難かった。

 すでに発表があったとおり、7月11日、土曜日に、志村正彦の母校、富士吉田市立下吉田第一小学校の体育館で、彼の同級生グループ「路地裏の僕たち」主催による『フジファブリック Live at 富士五湖文化センターDVD』の無料上映会が開かれる。ゆかりの品も一部展示され、あわせて、12日まで夕方6時のチャイムが「若者のすべて」のメロディに変更されるそうだ。

 「路地裏の僕たち」は、志村の故郷富士吉田で様々なイベントを推進してきた。これまでも、そしてこれからも、志村正彦に関する活動の中心を担う。ゆかりの場所での上映会という今回の企画は「路地裏の僕たち」ならではのアイディアだ。これまでの展示やチャイムに加えて、志村正彦・フジファブリックの音楽そのものを、故郷でのライブを、「映像」という形ではあるが「体験」してもらう会は、新しい試みとしてとても重要なものとなるだろう。

 また、30日まで甲斐市立竜王図書館で、志村正彦、宮沢和史、藤巻亮太の歌詞パネルを展示した「ROCKな言葉~山梨の風景を編んだ詩人たち~」が開催されている。まだ見に行ってないのだが、図書館という場所からして、志村正彦の詩集や著書を山梨の人々が知る、良い契機になると思っている。

 昨年の展示やフォーラム、今年の「路地裏の僕たち」主催の上映会や甲斐市立竜王図書館主催の展示。共通するのは、志村正彦の作品を現在の世界に広げ、未来の世界に伝えていくという目的であろう。そのためには、多様な視点や方法があってよいと考えている。
 以前も書いたことだが、富士山の登山ルートには昔のものを含め、幾つものルートがあり、それは全て富士山の頂上を目指している。そのことになぞらえれば、多様性を保ちながら、共通の目標を目指していくのが、志村正彦にふさわしい「歩み」のような気がする。

 去年は間際に台風が到来したが、会期の週末は天気になった。今年も梅雨の長雨が続いたが、今週末は雨もあがるようだ。天気予報士がテレビで良い天気となると言うように祈っている。
 夏の富士に祝福されて、『路地裏の僕たち上映会』は開催されることになるだろう。
 

    週末 雨上がって 街が生まれ変わってく
        紫外線 波になって 街に降り注いでいる
        不安になった僕は君の事を考えている
   
                               ( フジファブリック 『虹』 、 作詞作曲 ・ 志村正彦 )

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